ニュース

2021.02.02

36協定の様式がまた新しくなりました。労働者代表の選出がポイントです。

36協定の様式がまた新しくなりました。今まで、労働基準監督署に36協定の提出をする時、受付担当者が口頭で労働者代表が「管理監督者でない旨申し出があった」ことを確認し押印するということはありましたが、労働者代表の選出方法まで確認することはありませんでした。

今回はこれと合わせて「1年単位の変形労働時間制」に関する協定届にも同じようにチェックボックスが新設されました。

36kyoutei

来年度から使用することになる36協定の様式は労働者代表が「管理監督者でない」こと及び「投票、挙手などによる手続きを経て選出された」ことを事業者が自ら確認しチェックボックスにチェックを入れることで内容を確実なものにすることが目的のようです。

もっとも大切な事は、その労働者代表が「使用者の意向に基づき選出されたものでないこと」を確認し、事業者と労働者代表が共同でチェックさせることにあるのだと思います。

特に中小企業などでは、そもそも従業員が労働者代表の存在を知らない、あるいは自分が労働者代表であることをちゃんと理解していないことが多々ありました。

従来、社長などから協定書を提供する必要があるから「君が代表になっといて」などと頼まれ、訳がわからないまま協定書に署名した、というようなことが普通に行われていました

私の関与先では従業員「親睦会」の会長が、そのまま従業員代表になることが慣例化していました。「親睦会」の代表は従業員から信任されているし、皆のお世話もしているのですから確かに従業員代表には適任かもしれません。

しかし往々にしてこの親睦会会長が課長職以上の管理職であることも多いのです。

基本的に管理監督者は従業員代表になることはできません。この場合の従業員代表と親睦会の従業員代表とは意味合いが全く違うのです。

問題は、うかつに従業員代表になった社員に責任がかかる、などと言うことではありません。

従業員代表でないものと交わした「36協定」すなわち時間外労働に関する協定書が、そもそも効力が無い、と見なされてしまうことが一番大きな問題です。

これは企業にとって場合によっては致命的な事態になることがあり得ます。

36協定が無効になれば、それまで行ってきた時間外労働すなわち残業が、すべて過去にさかのぼって違法とみなされ、労働基準法違反になることです。

これまで何度も裁判で争いの対象になってきた、この労働者代表の選出方法を改めて浮き彫りにし、確実にしっかり選任するよう求めてきたのです。これは、とても大切なことです。

事業主の皆様ならびに従業員の皆様、これを機会に従業員代表の選出について慎重に行うよう意識してください。

お問い合わせはこちらから

Tel.090-7883-5368または072-838-2158

営業 月-金 午前9時~午後6時

フィード