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2023.06.29
労働基準監督署の臨検監督 調査の流れと注意点
労働基準法は労働者を保護するための法律であり、労働基準監督署は企業がこれを守っているか、定期的に調査しています。労働基準監督署が実際に企業などに出向き、調査を行う「臨検監督」について、流れや対応方法について説明します。
最も多い調査は「定期監督」。
臨検監督の種類は「定期監督」「申告監督」「災害時監督」「再監督」の4種類。
「定期監督」は労働基準監督署が監督計画に基づいて行う調査で、現状特に問題のない企業も対象になる。調査全体の約8割がこれに当たる。
「申告監督」は労働者などから労働基準監督署に申告があった場合に行われ「災害時監督」は労働災害が発生した時に行われる。「再監督」は前回指摘した是正措置や指導内容を、その企業が改善しているかを確認するもの。
「定期監督」は通知なしで実施するのが原則だが、実務上、調査対象企業の担当者と日程調整のうえ実施するのが一般的。企業には臨検監督の「拒否権」は無く、応じない場合には罰金が科されることがある。
「定期監督」は時期によって、ある程度テーマ(労働時間、最低賃金、有給休暇、安全衛生など)が決まっているようです。
通常、監督官2名で事業所を訪問。「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿」を確認のうえ、勤務実態と乖離が無いかなどを確認する。
最近、当事務所が良く聞く調査ポイントは残業時間が45時間を超えていないかどうか?という内容です。
調査の結果、法令違反ではないものの一定の改善を行う必要がある場合は「指導票」が、法令違反が認められる場合は「是正勧告書」が交付される。施設の不備により危険がある場合は、その設備に対して「使用停止等命令書」が交付されることがあり、企業にとっては大変な打撃となることがあるので注意が必要です。